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絶縁油は劣化すると酸価値が上がり、耐圧が下がるなどの諸性能が低下します。
当社ではトランスの出荷前に絶縁油の試験も行い、劣化と判断される場合は入替を行っています。
合格した中古油でも、ご希望のお客様には新油で対応させていただきます。
この項目では絶縁油試験内容を説明させていただきます。

(2)-1 酸価度の測定

当社は酸価値の測定に、電気絶縁油全酸価簡易測定キット(中和呈色式)を使用しております。
専用のスポイトで判定する絶縁油を採取し、判定液入りの専用ガラス瓶に注入します。
撹拌した後、しばらく時間をおきます。静置後ガラス瓶の液体が2層に分離した後、上層部の色とチェックマンカラー(色見本)とを比較して(両者の透過光色)判定します。

(2)-2 絶縁油破壊電圧の測定

専用の容器にて採取した絶縁油を、絶縁破壊電圧を測定する機械のカップに入れます。
そして耐電圧試験を行います。合計5回試験を行い、初めの1回を除く4回の平均値を測定値とします。

 

外観清掃および塗装が完了した後は試験の工程に移ります。

(3)-1 絶縁抵抗の測定

一次巻線、二次巻線−大地間、一次巻線−二次巻線について測定します。

(3)-2 抵抗測定

直流を用いて測定します。全巻線の抵抗を測定し、測定値、測定した時の温度を記録します。

 

(3)-3 無負荷試験

無負荷試験とは無負荷電流と無負荷電流損を測定するための試験です。無負荷電流の測定は、任意の周囲温度で一次回路を開き、二次端子間に単相変圧器は定格周波数における正弦波形の定格電圧を、また、三相変圧器は定格周波数における平衡三相正弦波形の定格二次電圧を加えたときの電流を測定します。（三相変圧器の場合は、各相の平均値を求めます。)
無負荷試験の測定は、前項の場合における損失を測定します。

 

(3)-4 短絡試験

トランスの二次回路を短絡し、単相変圧器は定格周波数における正弦波の電圧を、また、三相変圧器は定格周波数における平衡三相正弦波の電圧を一次端子間に加え、二次回路にこの出力に相当する二次電流を生じさせる場合の損失および電圧を測定します。

 

(3)-5 耐電圧試験

トランスが相当の絶縁抵抗を(2)-1で持っていることを確認した後、定格電圧に対応した正弦波に近い電圧を1分間加えて行います。